松田奈那子さんトークイベント【8月21日開催終了】

こんにちは。
えほんやさん スタッフ本田です。

松田奈那子さんの絵本『どたんばたんおるすばん』あかね書房
原画展 7月29日〜8月20日

    (緊急事態宣言にともなう臨時休業の為展示期間が変更になりました)

8月21日(土)オンライントークイベントを開催しました。
ご参加いただいた皆さま、松田奈那子さん、あかね書房さま
ありがとうございました。

原画展期間中「どたんばたんおるすばん」以外にも
いろいろな絵本のサイン本をご用意していただきまして、
入荷するたびに売場がとてもはなやかに。
それにしても…これほんとうに一人の作家さん?というぐらい
本によって、絵の描き方が違うし、ジャンルも違う。
作風の幅がある方だなと不思議に思っていました。

お話を聞いて納得。
学生の頃のことや、されてきたお仕事、海外での生活。
経験が多面的で、さらに在り方が柔軟な方だなという印象でした。

さて、まずは学生時代のこと。
高校生の時から美術科のある高校に入学。
大学、大学院では油絵を専攻。
さらにはアルバイトで絵画を教えたり、
子供向けの造形教室のスタッフをしたりと
どっぷりと美術の中にいたのですね。

そしていよいよ絵本デビュー。
『ちょうちょ』松田奈那子 絵 江國香織 文 白泉社
こちらの絵本は「第1回MOE絵本グランプリ」で
’ずば抜けた色彩センスが満場一致で評価された’と
白泉社のHPで紹介されています。

このデビュー作の話、ものすごく面白いので
ぜひ松田奈那子さんご本人による語りで聴いていただきたいです。
お話し聞いているこちらまでうれしくてニコニコしてしまいます。

そして絵本づくりの話へ。
絵本をつくるとき、文章(言葉)から考えるのか、それとも絵から…?
なにからインスピレーションを受ける?など
質問にひとつひとつお答えいただいているのを聞いていると
生まれ故郷の北海道での小さい頃の実体験や、
造形教室に通ってくる子どもたちの会話や
いつも一緒にいるネコのこと、そして2年間滞在したモロッコのことなど
いろいろな方向の話をしながらその全てが絵や絵本に影響しているのだとわかります。

そしてモロッコのはなし。
ご家族のお仕事でモロッコで暮らすことになった松田さん。
モロッコでの体験談もひとつひとつ小説にできそうなぐらいおもしろい!
松田さんが「絵を描く人」としてそこにいるからこその体験もあり
海外にいた。だけでは経験できない濃厚なものだったのですね。
ちなみにトークイベントでも話がでている
松田奈那子さんの「モロッコ滞在帖」
2015年から2年間滞在した記録を不定期で絵日記に描いたもの。
ぜひみてください。
絵も文も最高に良い。内容が濃すぎて何日もかかって楽しめます。

そしていよいよ『どたんばたんおるすばん』の話しへ。
絵本というものが、作家さんひとりではなく、編集者さんと
二人三脚なんだなとよくわかります。
松田さんの絵本で『どたんばたんおるすばん』と『みつけてくれる?』と
同じあかね書房からでていますが、そこでの制作の裏側についても
’兄妹・姉妹でおるすばんをする’というテーマがあったとか、
最初のアイデアから紆余曲折してあれがこうなったなど、レア話満載。
『どたんばたんおるすばん』の中にでてくる
犬のフクちゃんとネコのトラジにはモデルがいて‥と
写真付きで紹介があったり。(激カワ)
絵本になる前に描く、ラフもみせてくださるのですが、
こんなにきっちりしたものを描くの!?と驚き。(これ必見)
「けっこうな枚数描いた」そうです。
デジタルではなくて紙に!

ここでえがしらさんから「この絵本の言葉って(文章)て…」と
『どたんばたんおるすばん』について疑問というか確認が…。
ここは重大なネタバレになり、
核の部分なのでぜひトークイベントをみていただきたいのですが、
ここのくだりで松田奈那子さんが
「絵本の中に世界が広がっていて、その日その瞬間を切りとり、
そこを深めていく作業」と言葉にするのですが、
あ、絵本をつくることの根幹の話をしているんだなと
ビリっとしたところでもありました。

さて、このあと…

さらにいろいろな話がでてくるし、
絵を描いているところを動画で撮ってみせてくれて、
しかも出来上がったその絵をえほんやさんに送ってくださるし、
いたれりつくせりですごい事になっているイベントでした。

最後に参加者の方から直接質問する時間。

    「(作家になるために)小さい頃からしておいたほうがいいことは?」
    お父様からいわれた言葉で大切にしていること。として
    紹介してくださった一連にため息。
    そう。絵本に限らずすべてにおいて本来そうで、でもなかなか
    大人から子どもへ言葉にして伝えるの失念しがちだなと思うド真ん中。
    まさに小さい頃からしておいたほうがいいこと。だと思います。
    「(他のお仕事もある中で)絵本を作ろうとする一番の理由は?」
    この答えは本を売る自分たちにとってもすごく大事なことで、
    質問者の方もおっしゃってましたが、その想いを受けて、
    私達も子どもたちへ絵本を手渡していきたいと改めて気を引き締めました。

松田奈那子さんの物語絵本の軸にあるもの
ご自分の家族や姉妹や、もしかしたらご友人などの、
関係から成るところが大きいのかなと思います。
ほんのすこしの心の動きや変化を、ダイナミックな絵で表現したり、
色や線でとても繊細に表したり、心の機微と絵が繋がっていると
感じる場面が多々ありました。
美しさやかわいさはもちろん、
松田さんの絵本の一番軸にあるところのイメージは
「あたたかい」という印象でした。

    これは本田の個人的なことですが、
    2ヶ月近く一人の作家さんのことがずっと頭や心の片隅にあり、
    絵本をじっくり読み、どんな方か想像し、ご本人のお話しを聞いて
    また絵本をみて。しかも実物の絵もみせていただいて。
    絵本を掘り下げることが自分をみつめることにもなりました。
    今までに経験のない、なんて貴重な夏だったんだろうと改めて
    松田さんとえほんやさんに感謝します。

最後に。
松田さんが、4歳から中学生まで通った絵画教室がとても居心地がよくて、
自分でも「家でも学校でもない、同じものが好きな子が集まる場所」を作りたいと思った。というお話しが心に残っています。
今まさにそのような場所を必要としている子どもも大人も多いだろうな…
自分もそのうちの一人。
今から造形教室をつくるわけにもいきませんが、
自分の中に、誰かの拠り所になれるような部分を持っていたいな。
とお話しを聞きながら思っていました。

松田奈那子さんのお話しは、皆さんにとっても、
今、創作活動をしていらっしゃるすべての方にとっても
背中を押す言葉に溢れています。
ぜひ見て、聞いて、ご自身の糧にしていただきたいです。

えほんやさん
本田

松田奈那子さんのトークイベントはアーカイブの販売もしております。
松田奈那子さんオンライントークイベント(8月21日開催済み)

サイン本のお取り扱いもございますので、
オンラインショップをご覧くださいませ。
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