「#親子で絵本時間」の経緯について

こんにちは。絵本作家のえがしらみちこです。

この企画の始まりは、絵本作家仲間とのおしゃべりでした。
絵本が届くことでほんの少しでもお家の中が明るくなるといいよね…というささやかな気持ちがはじまりでした。

私の個人的な考えですが、絵本は親子のコミュニケーションツール「でもある」と考えています。
(大人がひとりで読んでも楽しめるので「でもある」としています。)

例えば、絵本は誰かが声を出して読まないと進みません。
それも、読み手(親)は聞き手(子)の反応を見ながら読み進めていきます。
一緒に1つの絵本をのぞき、自分に合わせてくれたスピードの声で世界を体験する…それは、絵本でしかできない体験です。
読み手も、自分の作り出した世界を楽しんでもらえる幸福感に満たされます。

オンラインでの読み聞かせや、YouTubeなどに動画がアップされたりしていますが、不特定多数に向けて一方的なコミュニケーションのために絵本を使う必要性について、私はまだ抵抗を感じています。(絵本作家みんながそう考えているという意味ではありません。)そして、遠方の親戚のためにコミュニケーションソフトを使って読み聞かせ…というのは、また別の話です。

そういった背景もあって、今回の「親子で絵本時間」の企画は、
親子で絵本を読む良さを再確認して欲しい、ハッシュタグをつけてその投稿を読んだ人の気持ちもホッとなれば嬉しいな・・・と思い、立ち上げたのでした。あくまでも絵本のプレゼントがメインの企画ではないです。

でも、企画を進めていくうちに、私の中に迷いが出てきて、色々考えていました。
これは、コロナに便乗したおかしなキャンペーンになってないかしら?
絵本がメインの目的ではないと思いつつ、抽選や当選といった作業がでてくると、どうしても「当たる当たらない」の方に意識が向かうので、「#親子で絵本時間」に注目が薄くなるのでは…??

ほんとうは、「絵本で親子の時間を」なんて、コロナが起こって言うことではなくて、前から声をあげたほうがよかったのだと思います。

今回、コロナが流行したことで、いろいろな物事の本質や本当に大切なものなどがあらわになってきて、私たち自身もハッとしている状態です…
結果的にコロナがきっかけになってしまいましたが、絵本で親子の時間を大切にして欲しいし、
今だから立ち止まって考えてみてほしい、そして、この企画が少しだけでも考えてもらえるきっかけになれたらなぁと思っています。

ほんとうは、作家だから「絵本を買って欲しい!」って主張もしたいけど、本屋さんや図書館にも行きにくいこの状況なので、これをきっかけに関心をもってもらえたら嬉しいな…

学校や園がスタートしたのに行けない子、そのためにお仕事をお休みしつつお家にこもっているお母さんやお父さん、お世話をお願いされているおじいちゃんやおばあちゃん・・・
全ての人に絵本をプレゼントは難しいです。ほんとに些細で小さな動きです。
でも、企画に参加された方が「絵本を囲んで楽しむっていいよね」と優しい気持ちになってもらえたらいいなと願っています。

今回は、親子が対象になっていますが、おひとりで絵本を楽しんでいらっしゃる方のご参加も大歓迎です。
おひとり様、何度でも投稿していただけると嬉しいです。
保育園・幼稚園・養護施設・学校などの先生の投稿も、おまちしております。

そして、企画に参加されない方も、「#親子で絵本時間」のタグをたどって、みなさんのエピソードを読んでみてくださいね。

(えがしらみちこ)

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